分収造林ってなに?
1分収造林とは
公社における分収造林は、造林が遅れている地域で、山林や原野がたくさんありながら「資金がない」、「労力がない」といった事情で、自営造林や他の機関に よる造林ができない場所において、公社が土地所有者と契約を結び、造林から伐採にいたるまでの一切の作業を行う仕組みです。
ただし、新規造林は平成13年度をもって終了しているので、現在は既存契約地の保育管理が主な仕事となっています。
2対象地
1団地がおおむね5ヘクタール以上の林地です。
3費用負担と分収割合
公社が資金調達して造林を実施し、伐採時には、造林木の売り上げから販売に要した費用を差しひいた残りを公社と土地所有者が分収します。
現在、分収割合については、当初、公社 6、土地所有者 4で契約いたしましたが、公社 8、土地所有者 2( 市町村にあっては公社 9、市町村 1) での変更契約をお願いしております。
なお、変更契約に基づく収益分収割合の効力発生時期は、公社が文書で通知した日から効力が発生することとしております。
4契約期間
長伐期施業の方針に切り替えたため、現在はヒノキ90年、スギ・その他80年を基準にしています。
5長伐期施業について
優良広葉樹を残しながら間伐を繰り返し実施する長伐期施業においては、主伐の時期を迎えても、再造林の負担を軽減できます。 契約期間延長の手続きがまだの方には、是非ご理解とご協力をお願いします。
6事業の実施状況
公社が昭和42年(1967年)から手入れをはじめた森林は、古いものでは54年生までに成長しており、公益的機能を持続的に発揮させるため、作業道を作設しながら間伐を進め、森林を管理しています。
また、公社では間伐材の有効利用に向けて、木材市況を見ながら様々な販売方法の検討を行ったり、有利な販売と現場で働く方々の安全を確保するため、伐採や採材方法などの研修会を開催しています。
なお、間伐の実施などにより分収金が発生した際には、その都度所有者の方へ分収金をお支払いしています。
契約から分収まで
■分収造林の契約図式(二者契約)
これまでの実績は?
1造林した面積
当公社は、新植を実施していた昭和42年から平成13年までの35年間で、15,429.47 ヘクタールの造林を行いました。
この造林面積は東京ドームが 3,300 個分に相当します。
2植栽した本数
35 年間に、杉やアカマツを中心として 44,814,905 本の樹を植栽しました。
この植栽した苗木(平均 45cm)を並べると本州の長さ(約 2,000km)の 10 倍 (20,000km) に匹敵します。
3間伐した面積
昭和61年度から令和元年度までの33年間に実施した保育間伐の対象面積は 13,574 ヘクタールで、健全な森林に育てるために間伐を行い、その一部は素材として市場等へ出荷しました。
この保育間伐を行った面積は猪苗代湖の面積(10,480 ヘクタール)を上回ります。
4作業路の開設距離
昭和42年度から令和元年度までに開設した造林作業路の総延長は 332 キロメートルです。
この総延長は福島駅から東京駅までの走行距離(263 キロメートル)を上回ります。
5就労延人数
当公社が昭和42年度から令和元年度までに行った事業に就労した林業労働者は延べ約370万人になります。
この事業量は、福島県民(1,810,721 人:令和3年4月1日 現在)全員が、2.0日間、公社造林に従事した仕事量に匹敵します。