公社だより

「高く売れる伐木造材現地検討会」の実施について(2020年01月)

 公社ではここ数年、間伐により年間1万㎥前後の素材を生産しており、今後も積極的に取り組むこととしています。
 素材を高く売るためには、採材、玉切り、はい積み(山土場売りの場合)等が重要となりますが、木口(切断面)の状態や採材の違いにより、販売価格に大きな差が生じます。このような状況を踏まえ、公社主催による現地検討会を伊達市の南東北木材株式会社木材市場及び公社造林地において、林業事業体職員等三十二名の参加を得て令和元年十二月十一日に開催しました。

 木材市場では鈴木賢二代表取締役を講師に、素材を高く売るための注意事項について説明をいただきました。また、小径木の需要は大きいが出材量が少なく三㍍材で比較的高く取引されていること、公社材はまだ若いが、年数を積めば高く取引されるようになるとの期待が持てる話がありました。
 さらには、公社には大きな債務はあるが、それにより山村の経済を支えてきた役割は非常に大きいとのエールもいただきました。

 午後は公社造林地に移動し、公社職員が講師となり、現在間伐を実施中の吾妻造林有限会社に伐採、玉切り等の作業協力をいただきました。
 参加者は五つの班に分れ、立木高や曲がりの状況を目測、その後伐採、計測、採材、材積計算、価格算出を行った後、曲がりの確認等、採材の妥当性について検討を加えました。元玉利用の有無により評価額に差がありましたが、小曲がりならチップとして活用できること、機械的に二㍍で玉切りすると評価額が四割減になる等、採材の重要性を認識し合いました。
 また当事業対象外のはい積みの切断面について、樹皮や葉が切れてない、面が平滑でない等により、再度チェーンソーを当てる必要がある等、切断面の重要性を認識し合いました。
 吾妻造林有限会社からは、切断面をきれいにするためにハーベスタ等の刃を定期的に研ぐこと、労働安全上作業員間のヘッドワイヤレスマイクの使用等の話がありました。 
 さらにはチェーンソーによる目標方向に正確に伐倒するための両サイド切り落とし、伐採木の割れを防ぐために両サイドに切れ目を入れた伐倒を実演いただきました。

 幸い天候にも恵まれ充実した検討会であったと思います。職場に戻りましたら知り得たことを伝えていただき、本県の素材価格の上昇に繋げていただけることを願っています。

         
       南東北木材株式会社                採材の検討の様子
    

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